「それにしてもさぁ、いいよな、水谷は。」

「はぁ?なにが?」

「だってさ、あんな可愛い子が幼馴染なんだぜ!皆もそう思うよな!」


田島がそう言うと全員がうなずいた。


「確かにさん可愛いよね。優しそうだし。」

「だよな〜、あんな可愛い子が幼馴染だったら惚れないわけないよな。で、実際どうなんだよ、水谷!」

「いや、とはただの幼馴染だよ?」


そう言うと誰からともなく、非難の声が上がる。


「嘘吐け〜、そんな風に思ってないくせに。」

「違うって言ってるだろ!」


俺は少し乱暴にドアを閉め部室を出た。







俺はまだ、この気持ちに名前を付けたくないんだ。

気づきたくないんだ。

でも、本当はきっと気付いている…。

そう、これは…この気持ちは…






「ふみ、部活お疲れ様。」


校門まで行くといつものようにが笑顔で迎えてくれる。


「ごめんね、いつも遅くまで待たせちゃって。」

「いいよ、大丈夫だよ。私、ふみが野球してるの見るの好きだし。」


この笑顔があるから部活も頑張れる。
やっぱり癒される場所があるっていいよな。


「俺もがいるとやる気がでるよ。」

「へへへ、そう言ってもらえると私もやる気がでるよ。…よし!そろっと帰ろうか。」


そう言って差し出された右手。
その手にそっと俺も手を重ねる。
その瞬間が一番の幸せのとき。


あぁ、俺はやっぱり…。

でも俺はこの温もりをなくしたくないから。

俺は強くないから、失うことが怖いんだ。

だから今はもう少しだけ、この気持ちを否定させて。

ただただ、この温もりだけを感じたいんだ。




+++あとがき+++
あれ?大分予定と違う事に…;;
まぁ、予定は未定といいますし!
もっとこう、ね?心温まるような話が書けるようになりたいです↓↓
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます^^