「ねぇ、文貴。別れよっか。」

「え…?」

「じゃあね。」


そう言って立ち去ろうとすると後ろから呼び止められる。
あら、珍しい。
文貴にしては穏やかさがかけている。


、ちょっと待てよ!なんで突然そんなこと言うんだよ!?」

「文貴と別れるため。」

「別れたくない。」

「だーめ。別にもう二度と話し掛けないでとは言わないしさ、私も普通に文貴に話すし。ただ、元の幼なじみに戻ろうって言ってるの。わかる?」

「やだ!わかりたくない!!」

「わかりたくなくてもね、恋人ってのはどちらか一方が別れたいって思った時点でもう終わりなのよ。」


私は一旦話しを止め文貴の顔を見つめる。
冷たく言いはらった言葉に文貴は凄く傷付いた顔をしていた。
ああ、そんな顔も可愛いなぁなんて思ってしまう。


「だから…バイバイ文貴。…また明日ね、ふみ君。」


そういって今度こそ歩きだす。
追っては来てくれない君。
そんな意気地無しな所も、大好きだったよ。






+++あとがき+++
基本柔らかい雰囲気の作品が好きなのですが、こういう感じの作品を書くのも結構好きです。
いつかもっと上達して、いろいろな雰囲気の作品をかけるようになりたいな。
2008/11/28